今日からキミと


     優しい言葉で[30/30]



 


「あけ……」

「やだっ、行かない!帰って!」

「お前なあ…」



柊は首を振るわたしにため息をついて、わたしの右手を強く引いた。





「っ!?」

「勇、それから店長たち。こいつが世話になりました」



そう言って店の出入口に向かう。
力が強くて、抵抗しても止まってくれる気配がない。





「柊待ってよ!わたし行かないっ」

「じゃあどこに行くんだよ。ここだってそのうち閉店時間だ」

「でも嫌なの…っ!」



まるで駄々をこねる子供のよう。
自分でもそう思うけど、今この手を離さないと、もう後戻りできない。



でも、柊の力には適わず、結局そのまま店を出るかたちになってしまった。

ドアを通る直前に店内の方を見たら、勇さんや店長たちが笑顔で手を振ったり、小さく拳を握って"ファイト"と言ってくれた。
菜々さんはウィンクをして小声で"頑張れ"と言ってくれて。



みんなに小さく礼をして、わたしは店を後にした。


 



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